刻印機の上手な選び方

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御社にピッタリな刻印方法をズバリ選定!刻印機選定ガイド

選定シート図

ご要望に適した刻印機の方式は見つかりましたでしょうか?
ひと口に刻印機といっても、ご使用になられる場面や製品の仕様、製造方法などによって適する方法は様々です。次ページ以降に選定のポイントをご紹介いたします。

こんなときに役立ちます

  1. 製品のトレーサビリティに活用したい・・・

    「お客様への品質保証として製品のトレーサビリティを導入する必要が出てきた。
    大掛かりなシステム投資を行う余裕はないので、できるだけシンプルな形で導入したい。」

    刻印による型番、品番の記録なら設備投資コストを抑えつつ、確実、シンプルなトレーサビリティを実現できます。またPCとの連動やソフトのカスタマイズによるシステム化、お使いの生産管理のシステムへの組み込みなどの拡張も図ることが出来ます。

  2. 屋外や長期間の使用でも機械の型番が確認できるようにしたい・・・

    「長年使った機械が故障した!でも型番がわからない...。」

    そんなことありませんか?
    特に屋外で長年使用する場合など、銘板の文字が消えて視認できないことが多くあります。
    打刻式の刻印なら金属に深く文字を刻みますので"消えない刻印"が可能です。

  3. 誰でも、同じ深さで刻印を打ちたい・・・

    「長年刻印を打っていた職人さんが定年退職でいなくなってしまった...。」

    刻印による型番、品番の記録なら設備投資コストを抑えつつ、確実、シンプルなトレーサビリティを実現できます。またPCとの連動やソフトのカスタマイズによるシステム化、お使いの生産管理のシステムへの組み込みなどの拡張も図ることが出来ます。

他の刻印との違い

  打刻式のメリット 打刻式のデメリット
レーザーマーキング
  • 深打ちのため刻印が消えない
  • 材料の焼け、変色がない
  • 文字種類に制約がある
  • 高硬度材には不向き
インクジェット式
  • インクの飛散がなく衛生的
  • インク詰まり、インク切れなどのトラブルがない
  • 塗装や経年でも消えない
  • 文字種類に制約がある
  • 凹凸面の刻印には不向き
  • 印字スピードに劣る
打刻式・ケガキ式
  • 刻印速度が速い
  • 彫刻ケガキくずが出ない
  • 刃具の寿命が長い
  • デザイン、形状に制約がある
ドット式
  • 文字の視認性が高い
  • 刻印速度が速い
  • 文字種類に制約がある
  • 凹凸面の刻印には不向き

打刻式に適したケース

こんな刻印ができます

神戸精密がご提案する刻印装置では以下のような条件で刻印が可能です

材質
  • アルミ
  • ステンレス
  • プラスチック
  • 特殊鋼(HRC45程度まで)
  • レトルト梱包材
  • ビニール梱包材
  • 金、銀、プラチナ
  • 木材
  • 皮革
上記以外の材質につきましても対応可能な場合があります。お気軽にご相談下さい。
厚み
  • 14.0mm(標準)
オプション仕様によりさらに厚みのある母材への対応も可能です。お気軽にご相談下さい。
サイズ
  • X:130.0mm
  • Y:90.0mm
オプション仕様により、サイズの変更も可能です。お気軽にご相談下さい。
文字種類 標準文字種類として以下の40文字の刻印が可能です。
  • アルファベット:A~Z(26文字)
  • 数字:0~9(10文字)
  • 記号:+-/*(4文字)
漢字・ロゴマークなど特殊文字は別途ご相談下さい。

対象ワーク別による刻印方式の選定

素材の種類による選定

打  刻 レーザー ドット けがき エンボス 電解腐食 彫  刻
軟  鉄 ◎・箔 ○薄
硬  鉄 × ×
アルミ・銅 ◎・箔 ○薄
超  硬 × ×
◎・箔 ◎薄 × ×
プラスチック ◎・箔 ○薄 ×
レトルト ◎・箔 × ◎薄 × ×
ビニール ◎・箔 × ○薄 × ×
革・合皮 ◎・箔 △薄 ×

 打刻式は高硬度の材質には不向きであるが、ほとんどの材質に適しており、箔押し(着色刻印)も可能である。レーザー式は、レーザー光によって材質を焼いて刻印するので、材質によっては焦げたり、非鉄金属(アルミ・銅)などでは白っぽい刻印となり見えにくくなってしまう。これは金属系ワークにおいて電解腐食式にもいえることである。高硬度の材質においては、レーザー・電解腐食・彫刻・けがきの順番で有効である。

 ビニール・レトルト・革製品等には、打刻式が型押し・箔押し共に有効であるが、レトルトにおいては、箔やインクの成分が食品衛生上の問題となり箔押し等は不向きとされ、打刻式やエンボス式の型押しが向いていると言える。

アルミ材へのレーザー刻印例
アルミ材へのレーザー刻印例
ステンレス材へのレーザー刻印例
ステンレス材へのレーザー刻印例
アルミ材へのけがき式刻印例
アルミ材へのけがき式刻印例
ドット式刻印例
軟鉄材へのドット式刻印例
   
   

製品仕様による刻印方式の選定

ワーク表面状態による選定

     ここではワークの表面の状態、機械加工での平面・鋳肌面・凹凸の多い表面の3つの状態についての刻印性について比較してみました。
打  刻 レーザー ドット けがき エンボス 電解腐食 彫  刻
加工平面
鋳物肌面 × × ×
凹 凸 面 × × × ×

 ここでのポイントは、レーザー刻印や電解腐食は、材質によって認識しにくい発色になってしまうことがあるということです。レーザーにはCo2とYAGの2種類がありますが、それぞれのレーザーの波長やパワーで金属表面でのレーザーの反射が原因となり刻印が見えにくくなってしまいます。見えやすく、消えない刻印を求めるには、コストが大きく膨れあがるのが現状です。一般的には金属への刻印にはYAGが適しているようです。  鋳肌面や凸凹面など凹凸が大きくなるほど、打刻式のように刻印深さが比較的均一な方式には不向きであると言えます。油圧駆動の打刻式では、ある程度の荒さの鋳肌面でも刻印は可能です。
ドット式刻印例
ドット式での凹凸面刻印例
ドット式での鋳物面刻印例
ドット式での鋳物面刻印例
ドット式での鋳物面刻印例
ドット式での鋳物面刻印例


ワーク形状による選定

ここではワーク形状、比較的薄い銘板などのプレートものと、製品にダイレクトに刻印する場合においてのその平面部・曲面部での刻印性についてを比較してみました。
打  刻 レーザー ドット けがき エンボス 電解腐食 彫  刻
銘  板
製品平面 ×
製品曲面 ×

 ここでのポイントは、形が複雑な製品の場合は、接近性の問題で打刻式は不利になってきます。レーザーようにワークまでの距離をとりやすいもの、ドット式のようにピン先をもつスタイラスの長さや細さによって、ワークへの接近性がよいものは有利と言える。  また、曲面への刻印はレーザーやドット式は有利であるが、その他の方式では、保持具や回転軸を同期させた装置、または三次元プログラミング等でコストがかかる。

使用環境による選定

ここでは使用環境による刻印の耐久性についてを比較してみました。
打  刻 レーザー ドット けがき エンボス 電解腐食 彫  刻
屋  外
水  中
火  中 × ×

 ここでのポイントは、いかなる悪条件にも消えない刻印というところである。このポイントでは刻印深さを深く得られる方が有利となります。水中での使用の例は水中ポンプなど、火中での使用の例としては、熱処理タグなどがある。
RIMG0062a.JPG
↑ 私がダイビングで使っていたライフタグ。傷だらけですが、文字がはっきりわかります。

文字種類・深さ・デザインによる刻印方式の選定

打  刻 レーザー ドット けがき エンボス 電解腐食 彫  刻
刻印深さ × 凸◎ ×
文字種類 ×
デザイン性

刻印深さによる選定

刻印深さは、「誰にでもわかる」という視認性、「消えない」という耐久性を考える上で非常に重要である。この刻印深さについては圧倒的に打刻式が有利となる。ドット式も深さの面では非常に深く刻印できるが、文字を点での表現していく上で見た目に劣ってしまう。しかしながら両者とも深く打てば打つほど薄物ワーク(プレート等)において歪みを生じさせる。ワーク形状、厚みなどによって、刻印深さには限度があります。

文字種類による選定

文字種類においては、文字の種類・ロゴマークなどを自由に編集できる彫刻式を始め、レーザー式・ドット式・けがき式が圧倒的に有利である。

デザイン性による選定

  • デザインを重視する場合の生産性による比較

打  刻 レーザー ドット けがき エンボス 電解腐食 彫  刻
生産性

デザイン性においても、文字種類と同様である。凹凸・グラデーションによる立体感などを追求するならば彫刻式が有利であるが、彫刻する時間とプログラミングなどの手間がかかり生産性には貢献できない。ドット式でもドットの深さを変えながら濃淡を出す表現もできるものもある。どちらにせよデザイン性を求めると生産性が悪くなるようです。


まとめ

総合的にみると、デザイン性を重視すると生産性においてはレーザー・ドットが有利であるが、生産性よりもデザイン性となれば彫刻式となる。指輪やオリジナルな贈答品などには彫刻式が有利である。

製造工程の条件による刻印方式の選定


刻印機が使用される製造工程の条件も考慮するしておかなければなりません。

 その際に考慮するべきポイントは、
        
  1.    1、現場環境への対応
        
  1.    2、サイクルタイム(ラインの仕様にあったスピード)
        
  1.    3、よりコンパクトなビルトインしやすい刻印ユニット

       が重要となります。


現場の環境・雰囲気による選定

クリーンルーム等での使用では打刻式・レーザー式・ドット式が切粉などの排出もなく有利である。レーザー式においては、ワークをレーザーにて焼いて刻印するために、多少の煙を排出します。
打  刻 レーザー ドット けがき エンボス 電解腐食 彫  刻
クリーン性 × ×
廃棄物等 無し 無し 金属粉 無し 処理液 切粉


サイクルタイムによる選定

ここでは、刻印装置の生産ラインへの導入においてのサイクルタイムでの優位性をまとめました。
ここでのポイントは、一文字の刻印スピードが重要になってきます。レーザー式、打刻式がサイクルタイムも早いですが、ドット式もドット密度を荒くすれば早くなります。電解腐食式は2液性の処理を行うのでライン対応には不向きといえます。
打  刻 レーザー ドット けがき エンボス 電解腐食 彫  刻
刻印速さ × ×
速さ順 2位 1位 4位 5位 2位 7位 6位


ライン対応による選定

打  刻 レーザー ドット けがき エンボス 電解腐食 彫  刻
FA対応性 ×

刻印機を安全にご使用いただくために

 本来の刻印作業は、活字ポンチを手で持ち、ハンマーで勢いよく品物に打ち付けるという作業です。ハンマーでの打ちつけ作業時、手元が狂うと活字の持つ手を強打して粉砕骨折の危険性も伴います。その打ち付け力は2トンを越える力です。
 我々は、
現場の作業者が安全に作業していただける機械を提供していきます

①ホイル破損時に備えて安全カバーを取り付ける
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 特に厚みのあるワークや、硬いワークに刻印を行う際には、ホイルが破損することも考えられます。その際、破損したホイルの飛散により、作業者に危険が及ぶおそれも考えられます。 万一に備えて、安全カバー(オプション)を取り付けてご使用されることをオススメいたします。







②手指の挟みこみを防ぐため、ワークの厚みが変わったら高さ調整を直ぐに行う
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 ワークの厚みが変わると、テーブルとホイールの間に隙間(クリアランス)が生じます。 例えば、厚いワークの後に、薄いワークを刻印しようとすると、そのままではこのクリアランスが大きいままになってしまい、手指を挟みこむ恐れがあります。 万一の事故を防ぐために、ワークが変わるたびに高さ調整を行い、クリアランスを適正にしておくことが必要です。






③手指が入らないよう、銘板押さえ治具を使用する
治具a.JPG
 銘板の刻印を行うときに、テーブル上への銘板の固定として、手指で押さえをしていると、手指をホイールに挟んでしまうことも考えられます。 銘板への刻印をされる際には、ワークを固定するための治具を使用して、手指の挟みこみを防ぐようにすることが必要です。







④作業時には軍手をしたままの作業は行わない
makikomi.jpg
 特にメンテナンスなどの際に、軍手をしたままで作業をしていると、ホイールや内部の駆動部が軍手を巻き込んでしまい、そのまま手まで巻き込んでしまうことも考えられます。 作業時には軍手を使用せず、機械への巻き込みを防ぐ注意が必要です。

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